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木と暮らすデザインの現場を訪ねる「木と暮らし」
今回は、京都府南丹市を拠点に、山から木を切って木材を生産する素材生産や森の管理を軸に、持続可能な森林づくりにも取り組まれている、株式会社あしだ取締役の芦田拓弘さんにお話を伺いました。
芦田さんは、元々エネルギー関連企業で海外駐在もされていたビジネスマン。2019年から家業の林業を継いで、木材生産業の傍ら、森林づくりに関わる様々な事業を展開されています。
林業は、先代が植えた木を、その子や孫の代が伐って使って植えるという40年から50年サイクルの仕事。そのことで、森林が健全に保たれてきました。しかし、昔より木材の価格が大幅に下がってしまった今、植林する資金の調達が課題となっています。
未来に森林をつないでいく
そこで、立ち上げたのが「eff“エフ”」。eco forest friendlyの略で、木製品の販売で、売り上げの一部を植林事業に還元する取組です。公式HPには、薪や木工房が製作した木製品が並びます。実は私たちの暮らしに関わっているけれども、まちなかに暮らしているとあまり意識しない森林。effの製品を通じて森林を身近に感じ、森林の資源循環に参加していることを実感してほしい。そのような思いで活動されています。
(effの公式サイトhttps://eff.theshop.jp/)
また、都会の人々に林業や森林の「今」を感じてほしい!そのような思いから、京都市京北芦見で、キャンプと植林体験を組み合わせるプロジェクトに挑戦中。現在、クラウドファンディングを実施しています。携帯の電波も届かない不便な山の中で、日常の喧騒から離れ、森林の声に耳を傾ける時間は、実は最も贅沢な時なのかもしれません。
(CAMPFIREのページ https://camp-fire.jp/projects/view/655716?utm_campaign=cp_po_share_mypage_projects_show )
変わる林業のイメージ
株式会社あしだの特徴のひとつは、若手が多いこと。林業の担い手の減少が全国で深刻になっている中、20~30歳代が6名も在籍されています。
林業では、チェーンソーを担いで山に木を伐りに行くイメージが強いですが、機械化やデジタル化も進む林業現場。最近では事務、企画、測量、ITなど様々な能力を持つ人材が必要となっており、大学卒や技術を持って異業種から転職してきた方など人材の高度化が進んでいるとのこと。自然や林業への関心の高まりも実感されているそうです。今後、林業経営の多角化や、森林クレジットの導入などを見据えて、林業の担い手のイメージも大きく変わっていく予感がしました。
これまでの林業の枠組みを超えて、柔軟な発想で新たな一歩、二歩、三歩を踏み出していく芦田さんの挑戦に今後も注目です。
山のこと森のこと林業のことをわかりやすく伝えるWoodyニュース(https://www.woody-ashida.com/)もご注目ください。
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