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TITLE2023.05.16

木と暮らすデザインKYOTOのパートナーを訪ねる -sumao 前編-

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四条堀川にある京町家。足を踏み入れれば、木の温かみを感じる内装や生活雑貨が目に留まります。自然素材の道具や、長く使えて便利な調理器具、家でも使えるアウトドアグッズ、 すまいをカスタマイズするDIYパーツ、店主おすすめの本など…。こだわりを持って生活雑貨のセレクトやプロデュースを行う「sumao すまいの雑貨店」さんに、お話を伺います。

■sumao すまいの雑貨店について

—暮らしにまつわる生活雑貨をセレクトし、販売しています。木や竹の製品シュロの箒、束子とか、自然素材のものが多いです。アナログに生活できるっていうのが1番じゃないかなぁと思っているので、そういう道具選びをしています。あと、木のまな板やおひつ、麻の食器洗いクロスなどのオリジナル商品も作っています。自分の力で暮らすということを大事にしていて…わかりやすく言うなら、家電を使わないとか。スイッチひとつで料理ができるとかそういうことではなく、手を動かす過程を楽しんで、生活力を取り戻したいなと思っています。料理の過程をちょっと不便だけど楽しむ、みたいなところがあると思うので、アウトドアグッズとかもセレクトしています。—

■”もくわく”の誕生

「sumao すまいの雑貨店」では、暮らしにまつわる生活雑貨のプロデュースも行っています。中でも、”木の地産地消”と”家具の使い捨てを無くす”ことで、サステナブルな暮らしをつくる「もくわく」は、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催する「ソーシャルプロダクツ・アワード2023」においてソーシャルプロダクツ賞を受賞しました。

—もくわくは、店が始まる前から「こういうのがあったらいいなぁ」と考えていた商品なんです。自然素材のものをセレクトして販売している…と話したのですが、基本は私が使って皆さんにお勧めしたいなぁと思ったものを置いています。もくわく自体お店が出来た時にはなかったのですが、シンプルな箱を使って生活するということを元々やっていて、皆にもこれが伝わったらめちゃめちゃ楽しいだろうなと考えていました。当時、りんご箱に似た木箱を使っていて、それが30個くらいあったんじゃないかなあ。京都に引っ越して来る時には大型家具を持っていなかったので、箱に本を入れて運搬したり、間取りが変わっても使えて便利だと思いました。—

実体験から生まれた構想が「もくわく」のカタチになるまで、試行錯誤を繰り返したそうです。

—最初は木工所さんとの繋がりもなかったのでどうやって作ろうかという所から考えていました。段々と繋がりが増え、試作を作って貰うようになり、形を変えながら今の形になっていったという感じです。サイズも1ミリ単位で調整していました。板の厚さもそうですし、ジョイントパーツの穴の大きさについても。最初はもっと大きかったのですが、普通に天板として使う際に問題にならない、かつ、ちゃんと動かなくできるサイズを見極めたりしました。あと、もくわくは全部で4サイズあるのですが、それもミリ単位で調節しました。もくわくは合板じゃないんです。合板と木はそもそも感じ方が違うと思っていて…空気を浄化してくれたり、そもそもの厚みが違ったり。一枚ものではないのですが、無垢に限りなく近く、木そのままに近い形でつくることにもこだわっています。—

もくわくには、それぞれをつなげる為のジョイントパーツがあります。製作現場で出る端材を活用しているため決まった材料ではなく、クリやサクラ、カエデなどさまざまな樹種が利用されています。樹種名を刻印されていることも印象的ですが、その形自体にもこだわりがありました。

—私が昔使っていた木箱は、一個一個大きさも微妙に違って重ねても同じ高さにならなかったりしたので、プロダクトとしてきっちり重ねられるものを作りたかったんです。(箱と箱を固定するため)ダボ穴を四つつけるとか、クリップのようなもので留めるとかも考えたんですけど…。一番シンプルに重なる形ってなんだろうと考えた時に、真ん中に一個、丸じゃなくて四角のパーツをつければ支えられるんじゃないかと思って。パーツが入る穴の大きさも邪魔にならないように検討して、できるだけ小さいサイズを選びました。—

■日々の暮らしと”もくわく”

—私がもくわくやsumaoで一番伝えたかったのは、暮らしを楽しむということだと思います。暮らし自体に楽しみがあるはずなのに、皆なんでわざわざお金を払って外に楽しみを見つけに行くんだろうと思っていて…。自分の部屋をどう楽しくしようとか、夕ご飯は何を作ろうとか、そういったことを考えて実際に手を動かすことに楽しみが沢山あると思っています。その中の一つが、もくわくで作る自分の空間作りや暮らし方です。既製品の机をバーンと買って完結するのではなく、もくわくのように組み立てたり考えてみたりすることで、楽しみが生まれるんじゃないかと思います。—

楽しむ暮らし、もくわくのある暮らしがもっと広まったなら…。そんな夢を語られました。

—もくわくを組み立てるワークショップや、4枚の板を販売し、お客さま自身に組み立ててもらうといったことが出来たら理想的ですね。道具などの面で問題はあるんですけど、それが出来たら輸送の際のコストや環境の問題が解決できるので。でも、現状で実現するとなるとハードルが高いので、もうちょっと需要が増えたりしたらいいなぁと思います。—

 

次回は「もくわく」に使われている国産木材や、京都市内産木材について伺います。

更新をお待ちください。

 

sumao すまいの雑貨店 https://sumao.info

もくわく https://mokuwaku.jp

 

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